兼業主婦の楽さと共育てのすすめ
女優の水野美紀さんがAERAdot.の連載記事にこんなことを書きました。
「子供抱えながら仕事して大変だね」と、よく言っていただくが、私は断言したい。
専業主婦の方が絶対に大変だ。
どんなに可愛い我が子でも、一人で不安を抱えながら、毎日睡眠不足で逃げ場もなく向き合っていたら(特に最初の2カ月は家から出られないからね)、可愛いものも可愛いと思える余裕すらなくなる。
私はこの文を見て大きく頷きました。
私がワーキングマザーという立場でいるのには複数の理由があるのですが、その1つに専業主婦の方が大変だからと言うのがあります。
なかなか周りには理解されないのですが…。
家事育児に加えて仕事をしているので、やることが専業主婦より多く見えて大変に感じるようです。
でもですね。
実を言うと私の場合、平日より休日の方が疲労度が高いんです。
娘が嫌いとかではなくて、むしろ大切だから疲れるんです。
娘はまだ未熟な分こちらが気を張らないといけないので、家が戦場で安心できる場所になるにはまだ年数が必要です。
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今回の話をするにあたって少しだけ私自身の話をします。
私はある企業の総合職として採用されて、結婚するまでは仕事に1日のほとんどを捧げ、毎日残業し、時には終電超えてタクシー帰りという日々を送っていました。
産後の今現在も総合職の立場のまま働いています。
産休育休期間を半年過ごしました。
その間は専業主婦の方と同じように家事育児を一手に引き受け家のことをやっていました。
家を守る側のことも、外で働く側のことも少しは分かっていると思います。
育児がすごく疲れる理由
保護者には子どもの命を守るという使命があります。
子どもは大人の常識をはるかに逸脱した行動をするので、予測することもできず常に監視することが必要です。
専業主婦も兼業主婦も1日は等しく24時間ですが、専業と兼業ではその24時間をどのように配分するかが異なります。
育児をずっと担当していると、緊張を解く間がないんですね。
育児は24時間体制といいますが本当にその通りで、夜も気が抜けない日が続きます。
乳幼児の場合寝ている間の事故も少なくないです。
夜泣きもするし、体調をよく崩す乳幼児ですから寝ずの看病もままあります。
子どもを気にしながらとる睡眠は短くて浅くなりがちです。
「子どもから目を離すな」と、言葉にするのは簡単ですが、それをずっと継続するのはとても気力と体力が必要です。
じゃあ仕事の方が楽なのか
先に結論を言うと、そうではないです。
冒頭で紹介した水野さんの記事には「仕事の方が楽」という記載があるのですが、ごめんなさい、私はちょっと賛同できませんでした。
(ご本人も長いキャリアやアクションなどの身体を張った撮影も少なこともあるとおっしゃってはいたのですが。)
お金をもらう以上顧客や社会に対して責任がありますから、ときには自分の心を殺して職務を遂行しなければならないことがあります。
馬が合わなかったとしても上司からの業務命令に従わないといけないこととだってあります。
自分のせいじゃないのに怒られて頭を下げることだってあります。
最近は人手不足だし繁忙期だったり自分しかできない仕事だったりなどで、仕事の量だって調整つかないときもあります。
過労死という言葉があるように、本当は帰って休みたいけど仕事を続けた結果、死んでしまうことだってあります。
勤務時間が育児の休憩時間、逆も然り
育児では長時間の緊張状態、仕事では社会的責任による重圧のダブルパンチでやっぱ兼業しんどいんじゃ、と思う人もいるかもしれません。
実際ワーキングマザーをしていて思うのは、勤務時間が育児の休憩時間となり、育児時間が仕事の休憩時間になり、それぞれが良い充電になるのでむしろ楽なんですよね。
子どもにかかわっているときは売り上げの心配や上司の無茶ぶりとかも忘れられるし、勤務中は得体のしれないものを突然口に入れたり、車道に飛び出したり、コーヒーの入ったマグカップを投げる人はいませんしね。
お母さんの自分と会社員の自分、それぞれの休憩時間が確保されているので、育休中子どもと密室で二人きりだった時や終電まで仕事に追われていたときを思い出すと、今が一番精神的に元気です。
共育ての推奨
既に子育てしているお父さんには不要な話になりますが、平均的に見た日本のお父さんは子どもと関わる時間が世界的に見ても少なく、仕事に集中しているというデータがあります。
日本のお母さんが子どもの命を守るスイッチをオンにしっぱなしのように、お父さんは社会的責任スイッチがオンになりっぱなしの家庭が多いんですね。
ここでは育児の主体が妻で夫は仕事が主体の家庭に向けてのメッセージなります。
私が激務な仕事時代、育休(専業)時代、兼業時代を経て学習したのは、1つのスイッチがオンになりっぱなしだと精神的に摩耗していくということです。
特に過労死ラインを超過する労働や、乳幼児の育児は摩耗が激しいです。
いったんスイッチをオフにすることは健康な精神状態を維持するためには大切なことです。
スイッチをオフするのに趣味に興じるのも有効ですが、夫婦お互いのスイッチをいったんオフにするためにも、お子さんと一緒に遊んでみたりお風呂に入ってみたりしてみるとリフレッシュになって良いと思います。
夫婦がともに心穏やかな子育てライフを過ごすための参考になれば幸いです。