迫りくる麻疹の恐怖!子どもや妊婦を麻疹から守る方法
2015年3月に日本は麻疹について排除状態であるとWHO西太平洋事務局より認定されていたところですが、2018年になって海外からの旅行客が沖縄で麻疹と診断されたことをきっかけに、沖縄では感染者が増加しております。
そして感染者が沖縄県外を移動したことから、さらなる日本での拡大が懸念されます。
(2018年9月28日追記)
9月14日に静岡で40代の男性が、27日にその男性と同じ飛行機に乗った20代の女性が麻疹に感染しています。
2人とも麻疹と判明する直前に名古屋都心部の交通機関を利用しており、東海地方の方は注意が必要です。
(追記ここまで)
麻疹はとても恐ろしい病気です。
今回はその麻疹についてお伝えしたいと思います。
スポンサーリンク麻疹の恐ろしさ
非常に強い感染力
麻疹の恐ろしさの1つは非常に強い感染力です。
例えば学校の教室に1人感染者がいれば、免疫を持っていない人は全員ほぼ100%発症します。
麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播します。
手洗い、うがい、マスクでは防げません。
ただ、1度感染して発症すると一生免疫が持続するとも言われています。
死亡することもある
先進国でも1,000人に1人が亡くなります。
また、さまざまな合併症も見られ、その半数は肺炎です。
中耳炎も多くみられ、1,000人に1人脳炎を発症し、さらに10万人に1人程度の割合で特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。
麻疹を防ぐ方法
ワクチンは最大の防御
最大の予防法はワクチンです。
麻疹ワクチンは1度打つことで、95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得できると言われています。
現在は2回接種が推奨されており、1回目で免疫がつかなかった人、あるいは時間の経過とともに弱くなった免疫を増強させる効果があります。
しかし、妊婦などワクチンを打つことができない人はウイルスと接触しないという方法しかとりようがありません。
そのような人たちを守るためにも打てる人がワクチンを打つ必要があります。
なお、副反応もご紹介しますと、以下が挙げられます。
・発熱(13%)
・発しん(数%)
・じんま疹(アレルギー反応)(約3%)
・発熱に伴うけいれん(約0.3%)
・脳炎・脳症(100万~150万人に1人以下の頻度)
※ワクチンとは無関係の可能性も含む
0歳児はどうしたらいいの?
麻疹の予防接種は1歳以上から推奨されています。
その理由は母親からの受け継いだ抗体の残存などから免疫の獲得が十分でない可能性があるためです。
外出を控え、人ごみをさけ、ウイルスと接触する可能性を少しでも下げましょう。
周りで麻疹の流行がある場合は緊急避難的に0歳で任意の麻疹ワクチン接種を受けられることもあるので、そのときはかかりつけの小児科等に相談してください。
また、0歳児での接種は1回目と数えませんので、1歳になったらまた接種してくださいね。
妊婦はどうしたらいいの?
妊婦が麻疹にかかると流産や早産を起こす危険があります。
しかし、麻疹は生ワクチンになるので、妊婦はワクチンを打つことができません。
乳児同様外出を控え、人ごみをさけ、ウイルスと接触する可能性を少しでも下げましょう。
同居者に麻疹にかかる可能性の高い方(例えば麻しんワクチンの2回接種を完了していない医療従事者や教育関係者など)がいる場合はワクチン接種等の対応についてかかりつけの医師にご相談ください。
また、接触後5、6日以内であれば、ガンマグロブリンという薬の投与で発病を阻止できる可能性があります。
ただ、ガンマグロブリンは血液製剤ですので、安易にとれる方法ではありません。
かかりつけの医師と相談の上、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与という形になります。
終わりに
身近に体力の少ない乳児や高齢者、ワクチンの打てない妊婦がいる人、あるいは本人は不安な日々を送っているかと思います。
私にも1歳の子がおり、まだワクチンが1回しか打てませんので、麻疹の免疫がついているか、発症しないかどうか不安な日々です。
はやく感染が収束することを祈っています。
厚生労働省 麻しんについて <http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html>