ベビーフードの添加物が本当に安全か調べてみた
手軽で便利なベビーフードを使っている保護者は多いですよね。
私もときどきお世話になっています。
しかしあまりに手軽すぎて、本当にこれは食べても安全なものだろうか、この手軽さを実現するために体に負担の大きい何かを使っていたりしないだろうかと気になることもしばしば。
今回はそのベビーフードについてです。
ベビーフードを製造・販売している企業が集まって運営している日本ベビーフード協議会という団体があります。
下記の6社が参加していて、ベビーフードの非常に大きなシェアを占めています。
・アサヒグループ食品
・ピジョン
・雪印ビーンスターク
・森永乳業
・キユーピー
・江崎グリコ
今回はその日本ベビーフードの自主規格に掲載されている添加物を調査して評価しました。
なお、この記事は健康な乳幼児を前提に記載しておりますので、あしからずご了承の上お読みください。
スポンサーリンク添加物全容
まず、自主規格はこちらの画像のようになっております。
全部で35個あります。
やはり小さい子が口にするので全体的に安全なものが多いのですが、一部特記事項があることが分かりました。
次の項からそれぞれの詳細をお伝えしますね。
乳化剤
乳化剤は、水と油を均一に混ぜ合わせることのできる食品添加物です。
食品添加物としての使用範囲は大変に広く、パン・和洋菓子・アイスクリーム・コーヒー飲料などから麺類・練り物・ソーセージ・ドレッシングと、実に多彩な食品に利用されています。
レシチン
安全な部類に入る添加物ですが、卵由来または大豆由来の乳化剤ですのでアレルギーのある人は注意が必要です。
原材料にレシチン(卵由来)と表示されている場合は卵が含まれています。
レシチン(大豆由来)あるいはレシチンとだけ記載されている場合は卵は使用されていません。
安定剤
安定剤とは形が崩れないようにするためのものです。植物より抽出したり、醗酵させたりして得られる天然由来のものが大半を占めていますが、有機化合物の加水分解や化学合成によって生産されるものもあります。
カロブビーンガム
主に地中海沿岸地域に生息するカロブの木の豆の胚乳を分離粉砕した植物由来の添加物です。
危険性は低い添加物です。
キサンタンガム
トウモロコシ由来の澱粉をバクテリアの栄養源として醗酵させることにより生産されています。キサンタンガム自体には毒性はほとんどありません。
ただし、製造過程状のトウモロコシアレルギーを発症する可能性があります。
グアガム
マメ科の植物グァーの種子から得られる水溶性の食物繊維で多糖類に分類されます。
この添加物自体は特に危険性はあまりないので気にする必要のない添加物と言えます。
タマリンドシードガム
タマリンドとは、アフリカ原産のマメ科の植物で、インドや東南アジアなど熱帯地域で自生もしくは栽培されています。
毒性は低いです。
ペクチン
ペクチンとは、果実や野菜、海藻類に多く含まれる食物繊維の一つです。
ペクチンは食品添加物として加工食品にも使われ、市販のジャムやゼリー、アイスクリームなどに多く使用されています。
毒性は低く、むしろ放射性物質を体外に排出する効果や腸内環境を整え免疫力アップの効果があります。
増粘剤
食品にとろみや粘り気を高める効果があります。
実際の原材料には「加工デンプン」のように表記されることもあり、具体的にどの加工デンプンが使用されているか分からないようになっていることが多いです。
加工デンプンは市販の商品に数多く使われており、加工デンプンを避けることは非常に難しいと言えます。
アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン
デンプンをアセチル化させたものをさらにエステル化した物質です。
低温でとろみがつき、加熱時の液体を吸収して膨張する現象を抑え、とろみを安定させる作用がある便利なやつです。
毒性は低いです。
オクテニルコハク酸デンプンナトリウム
デンプンを無水オクテニルコハク酸というものでエステル化したものです。
糊化温度はやや低く、粘りが強く糊状になります。
乳化剤としても使用されることがあります。
毒性は低いです。
酸化デンプン
デンプンを次亜塩素酸ナトリウムで処理(酸化)したものです。
次亜塩素酸ナトリウムというと有名なのが、ハイターやミルトンですよね。
口に入れて大丈夫かと不安になるかもしれませんが、酸化処理された後は食塩になります。
ヒドロキシルプロピル化リン酸架橋デンプン
厚生労働省では安産性の懸念はないという報告をしていますが、EUでは安全性情報の不足(発がん性の指摘)を理由に乳幼児向け食品への使用を禁止しています。
カードラン
微生物由来の多糖類です。
加熱すると固まる性質をもち、高い冷凍耐性と熱安定性があります。
危険度の低い添加物です。
酸化防止剤
食品の酸化を防ぐ食品添加物です。色や風味の劣化を防ぎ、有害な過酸化物や発がん物質の生成を防ぐ役割があります。
L-アスコルビン酸
アスコルビン酸とはビタミンCのことです。
ペットボトルのお茶やジュース、パン、飴、肉、野菜など、たくさんの加工食品に添加されています。
ビタミンCというと体によさそうな気もしますが、工業製品としてつかわれる、とうもろこしやジャガイモのほとんどは、アメリカからの輸入される遺伝子組み換え作物が使われていると言われているので、過信は禁物です。
また、厚生労働省の資料より、妊婦が摂取した場合の妊娠高血圧症および胎児死亡、周産期胎児死亡、前期破水のリスク上昇が報告されています。
抽出トコフェロール
ビタミンEのことです。
植物油や大豆、アーモンドなどのナッツ類、緑黄色野菜などに含まれる脂溶性のビタミンで、トコフェロールは科学名です。
安全なものといえるでしょう。
調 味 料
味を調えるために使用されます。
醤油や味噌のような調味料は食品として扱われますが、化学的に合成されたものは添加物として扱われます。
添加物としての調味料は、アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩の4グループがあり、原材料表示の際には、「調味料」という一括名の後にカッコ書きでこのグループ名を表示することになっています。
クエン酸三ナトリウム
有機酸に属します。
クエン酸を水酸化ナトリウムで中和し、ナトリウム塩にした食品添加物です。
どちらも食品には清涼飲料水や菓子の酸味づけとして使用されます。
毒性はありません。
酸味料
食品の酸味付けとして使用されます。
クエン酸
クエン酸は梅干やレモンなどのかんきつ類に多く含まれる酸味の主成分です。
毒性はありません。
製造用剤
加工食品に使用される添加物を総称したものです。
水酸化カルシウム
水酸化カルシウムとは、石灰石を原料とした物質です。
水酸化カルシウムであれば、少ない量でしっかりと固める事が出来るというメリットがあります。
水酸化カルシウムは、強塩基の性質上タンパク質を変性させてしまいますが、食品に使用される量は人体への影響は極めて少ない微量となります。
粗製海水塩化マグネシウム
天然にがりです。
マグネシウム過多は腎臓を疲弊させ、高マグネシウム血症の原因となります。
しかしこれはにがりの原液を直接飲むレベルの接種となるので、添加物として少量摂取する分には問題ありません。
炭酸水素ナトリウム
いわゆるベーキングパウダーでパンやお菓子の生地をふくらませる膨張材として非常にメジャーなものです。
主原料の重曹以外にも多数の化合物とでんぷんが混合されています。
化合物の1つに含まれるアルミニウム成分が人体への影響について未解明の部分が多く、敬遠されています。
市販のベーキングパウダーのパッケージをみると、アルミニウム不使用の文字をよく見かけますね。
添加物として使用される量であれば毒性としては低い部類です。
トレハロース
トレハロースは、地球上のさまざまな生物の細胞内に存在する糖の一種です。
また、多くの動植物はトレハロースを合成することができ、組織内に蓄積してエネルギー源としています。
摂取した後の血糖値・インスリン値の上昇がブドウ糖と比較して大変ゆるやかで低いという特性があります。
トレハロースは、安全な食品添加物と言えるでしょう。
グルコノデルタラクトン
でん粉を原料として、発酵法で作られたものです。
この凝固剤は、水に溶けやすく均一で保水性に富んだ豆腐が作れます。
危険性は低いです。
塩化マグネシウム
海水に含まれる成分です。
塩化マグネシウムは、ニガリの主成分です。
ニガリは、海水から塩(塩化ナトリウム)を採った残りのものから産出されます。
危険性は低いです。
塩化カルシウム
海水に含まれる成分です。
この凝固剤は、水に溶けやすく、凝固力が強く、凝固の速度が速い等のため、主に油揚げや凍り豆腐用の豆腐に使用されています。
危険性は低いです。
硫酸カルシウム
海水や岩塩に含まれる成分です。
天然ものとしては石膏から作られますが、現在では、化学的に合成されたものが大くを占めています。
危険性は低いです。
硫酸マグネシウム
海水や岩塩に含まれる成分です。
危険性は低いです。
香料
香りづけに使用されるものです。
オレンジ、もも、りんご
これらに説明は不要かと思います。
香り付けはフルーツ由来のもののみの使用となっており、安全と言えます。
なお、ベビーフードに使われるものは天然物を主に使用することと定められています。
栄養強化(補給)剤 (カルシウム)
栄養強化に使用されるものです。
不足がちなカルシウム、鉄分などが主な対象となります。
貝カルシウム、骨焼成カルシウム
貝殻・骨粉を原料としてつくられた天然由来のカルシウムです。
危険性を示す資料は確認されませんでした。
グルコン酸カルシウム
ミネラルサプリメントの1つで広く使用されています。
早産児の低カルシウム血症の治療のためにグルコン酸カルシウム溶液を15日間頭皮の静脈内に投与した結果、投与終了後48時間以内に45名中4名の頭皮に局所的な壊死が確認されたという報告がありますが、経口摂取による危険性を示す資料は確認されませんでした。
炭酸カルシウム
炭酸カルシウムは、自然界に多く存在し、食品添加物としては石灰石が原料となります。
石灰石は日本で豊富にありため、炭酸カルシウムは動物性のものを除いてすべて国産です。
安全性に問題のない添加物の1つです。
栄養強化(補給)剤 (鉄)
クエン酸第一鉄ナトリウム
クエン酸と炭酸水素ナトリウムの中和反応で合成され、鉄剤としても使用されています。
毒性は低いです。
ピロリン酸第二鉄
こちらも先述のクエン酸第一鉄ナトリウムと同様鉄材としても使用されています。
毒性は低いです。
栄養強化(補給)剤 (ビタミンC)
L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ナトリウム
酸化防止剤L-アスコルビン酸と同様のため、省略します。
適度に活用していきましょう!
いかがでしたでしょうか。
乳幼児が口にするものなのもあって全体的に安全性は高いとは思いますが、一部添加物には大丈夫かなと思うようなものもあるな、というのが私個人の感想でした。
でもベビーフードには利点がたくさんあります。
夏場の食中毒が気になるときでも外出先でそのままぱっと食べられるし、クタクタでご飯を作る体力がないときのお父さんお母さんの助けにもなるし、レバーなど普段の食事ではなかなか使わない食材も簡単に摂取できます。
添加物も少量でも食べたら影響がでるというものではありません。
生活に合わせて適度に使っていくことが大切なのだと思います。
日本ベビーフード協議会 <http://www.baby-food.jp/index.html>